メニュー メニューを閉じる

筏流しとシコブチ信仰 シコブチ信仰

撮影:石井田勘二  写真提供:高島市教育委員会

筏(いかだ)流しとは、昔使われていた、山から材木を切って運ぶための手段です。
山の木を切り出し、何本かを束ねて板状にし、それを前後に連ねて筏を組みます。
その筏に筏乗り(筏師)が乗り込み上流から下流へ運ぶ技術です。
川には危険な箇所もあり、時には命がけの仕事でした。

滋賀県には古くから都の造営や寺院の建立のための用材を伐り出す山林としての杣山(そまやま)がありました。
木材の伐採・製材を行なった山作所が「甲賀・田上・高嶋」にあり奈良の東大寺造営の際にも材木を運んだそうです。

高嶋杣では安曇川の流れが使われ、流域の人々は筏流しをまもる神様・シコブチさんを祀って信仰しました。
シコブチ神社は川の流れが急な所や川の合流点に設けられた作業場の近くに立地していることが多く、現在も十数社点在しています。
「シコブチ」に使われている漢字や神社の大きさも様々で集落ごとに違いがあります。
日本各地に筏流しはありましたが、このように信仰と結びついている例は安曇川流域だけです。

山の恵みを、水の恵みを使って都まで運ぶ。それを神様に見まもってもらう。
自然と人の暮らしが身近に繋がっていた様子が伺える、貴重な歴史です。

■動画で学ぼう

【入門編】安曇川の筏流し

源流域から筏が流されていたルートに沿って、安曇川を下りながら筏流しについて解説しています。
ドローン撮影により山や集落景観、川の流れを上空からたどり、筏流しをされていた古老の話を聞いたことがある集落の男性(80代)への聞き取りも収録。

【入門編】筏流しの守護神・シコブチさん

筏が流されていたルートに沿って、すべてのシコブチ神社(17 社+シコブチ講)を写真や動画でめぐり解説しています。呼び方は同じでも、漢字も社の大きさも様々であることが分かります。

■安曇川リバーマップ

筏流しの歴史や、安曇川流域に点在するシコブチ神社などをまとめたリバーマップ、3種類です。それぞれ用途に合わせて、ぜひお役立てください。
下記よりPDF をダウンロードいただけます。郵送希望の方はお問合せフォームよりご連絡ください。

安曇川リバーマップ A1サイズ (折りたたむとA4に)

外面にイラストで筏流しのようすを表し、中面に地図とシコブチ神社の情報を記載した、元祖リバーマップです。イラスト面はお子さんにも分かりやすく、学習にはこちらがおすすめです。

安曇川リバーマップミニ A2サイズ (折りたたむとA5に)

イラスト面を省略し、折りたたんだ時に女性のカバンに入ることを目指してミニサイズにしました。マップ片手の川めぐりなど、持ち歩きにはこちらが便利です。

シコブチガイドマップ A2サイズ (折りたたむとA5より小さい縦長サイズに)

シコブチ神社とその周辺の文化財や見どころなどを紹介したガイドマップです。中面には朽木市場の詳細地図を掲載しました。これを見ながら、ぜひ安曇川流域の文化財をめぐってみてください!